【国際結婚】アメリカ軍人と結婚する日本人女性が知っておきたい「年金」のはなし
横須賀で米軍人と出会い、国際結婚を考えている日本人女性の皆さん、おめでとうございます。新しい人生の扉を開く準備はできていますか? 結婚後の生活で大切なのは、健康と将来の経済的安定です。
この記事では、米軍人と結婚した年金について、横須賀に住む日本人女性に向けて、米海軍基地職員の行政書士が詳しく解説します。日米の年金の特徴、違い、年金受給に向けた準備まで、あなたの生活設計に欠かせない情報となるでしょう。
アメリカの年金の基礎知識
アメリカの年金制度(社会保障)の概要
アメリカの公的年金は社会保障(Social Security)と呼ばれ連邦政府の独立機関である社会保障局が運営しています。この制度は、就労者の社会保障税を財源にOSADI(Old-age, Survivors, Disability Insurance) 等の給付を行います。これらは日本語に直すと老齢年金、遺族年金、障害年金なので日本とほぼ同じですね。
仕事をして収入がある人は自動的に加入し、給料から「社会保障税」という形で保険料が引かれます。基本的には10年間働いて保険料を払えば、将来年金を受け取る資格がもらえます。
通常、62歳から年金を受け取り始められますが、67歳まで待つと満額の年金を受け取れます。
2. 配偶者と子供の権利
配偶者は、自分が働いていなくても夫婦として同一の生計を営んでいる為、年金を受け取る権利があります。
通常、配偶者は夫の年金の半額まで受け取ることができます。夫が亡くなった場合は、遺族年金を受け取ることができます。また、18歳未満の子供がいる場合、子供も年金を受け取る資格があります。
もし離婚した場合でも、10年以上結婚していれば、元配偶者の年金記録に基づいて年金を受け取る権利が残ります。
3. 重要な注意点
この社会保障制度は複雑で、個人の状況によって詳細が変わることがあります。正確な情報は、社会保障局(Social Security Administration)のウェブサイトや窓口で確認するのが最も確実です。若い女性にとっては今すぐ影響するものではありませんが、将来の生活設計を考える上で重要な制度です。基本的な仕組みを理解しておくと、将来の経済的安定のために役立ちます。
>>関連サイト:社会保障(Social Security Administration)
日本の年金制度と国際結婚後の対応
日本の
国民年金の基礎知識
日本の公的年金には国民年金と厚生年金があります。
国民年金は日本に居住する全ての20歳以上60歳未満の人が加入して年金を支払う義務があります。当然、外国籍の方も中長期で在留する場合かつ日本に住民票を有する場合は支払わなくてはなりません。(SOFAステータスはその特別な地位から例外とされています)
なお、実際に(老齢基礎)年金を将来もらうためには最低でも10年以上の加入期間が必要です。
海外への転出を適切に市町村役場へ届け出ていれば、日本に滞在していない間、この年金の加入期間が加算されるので数十年後帰国したら年金の最低払い込み年数に達していない、とはならないのでご安心ください。ただしこれを可能としているのは
日米で社会保障協定を結んでいるから
です。社会保障協定は両国間での2重払いを防止する機能を持っています。
日本の国民年金の任意加入について
もしPCSで海外へ異動する事になっても、国民年金には任意に加入することができます。
そのメリットは以下の点が考えられます。
- 将来の年金受給権を確保できる
- 障害年金や遺族年金のリスク対策にもなる
- 日本に戻った際の年金生活の基盤となる
国際間の移動と社会保障の継続
米軍人の配偶者として海外を転々とする可能性もあります。そんな時に役立つ知識をご紹介します。
社会保障協定の活用方法
日本とアメリカは社会保障協定を結んでいます。 社会保障協定には以下のような効力があります。
- 年金の二重加入を防ぐ
- 両国の年金加入期間を通算できる可能性がある
- 将来の年金受給権を守るのに役立つ
>>社会保障協定についてもう少し詳しく知りたい人は↓の記事がおすすめです。
海外赴任時の年金・保険の手続き
海外赴任が決まったら、以下の手続きを忘れずに。
- 日本年金機構への届出(任意継続の場合)
- 健康保険の海外特例要件の確認
- 「海外転出届」を提出する
- TRICAREの海外利用手続き
海外転出届を提出すると、住民税、 国民健康保険料、年金の支払い義務がなくなります。ただし任意で年金を継続する場合には手続きが必要なので忘れずにしましょう。
まだ日本に在住していてこれから転出する人はお住まいの市・区役所または町村役場が窓口、既に海外にいる人は、日本で最後に住んでいた(住民票があった)場所を管轄する年金事務所の窓口に確認しましょう。
また、年金の支払いに方法には国内にいる親族などが本人に代わって納付する方法と、日本国内に開設している預貯金口座から引き落とす方法があります。
よくある質問(FAQ)
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将来、日本に戻ってきた時、年金はもらえますか?
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日本の年金の加入期間が10年以上あれば、受給資格があります。任意加入の期間も含まれるので、海外にいる間も加入を継続することをおすすめします。ただし払込んだ金額が少なければ受け取れる年金も少なくなります。
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アメリカの年金(社会保障)はもらえますか?
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米軍人の配偶者として、一定の条件を満たせば受給できる可能性があります。
詳細は米国社会保障局に確認してください。
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海外へ移住しても日本の年金を継続できますか?
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海外へ転出する届出をしても、国民年金へは任意に加入できます。ただし、年金の払込方法に関しては事前に最後の住所を管轄する市区町村役場へ確認が必要です。
横須賀で米軍人と結婚し、新しい生活をスタートさせる皆さん。健康保険や年金の選択は、将来の生活設計に大きく影響します。アメリカ軍には長年サービスをしリタイヤした場合には、恩給のようなものがあり生涯にわたり国から手当が支給され年金のような役割を果たします。こういった日本にはない珍しい制度を理解した上で、日本の国民年金をどう考えるか今一度、検討いただくきっかけになれば幸いです。