就活生必見!【特定活動ビザ】でのアルバイト許可 - 継続就職活動中の働き方ガイド

1. 特定活動ビザと資格外活動許可の基本

1-1. 特定活動ビザの対象者

特定活動ビザは、主に以下の方々が対象となります。

  • 大学や専門学校を卒業後、就職活動を継続する人
  • 就職が内定したものの、入社までに時間がある人

このビザは、通常の留学ビザが切れた後も日本で就職活動を続けられるようにするためのものです。

1-2. 資格外活動許可の必要性

特定活動の在留資格では、就職活動以外の、活動(アルバイトなど)を行うために資格外活動許可が必要です。

この許可がないとアルバイトはできません
許可なしに働いた場合、最悪なケースでは退去強制となる可能性があります。また、在留資格の手続きで不法に収入を得ていたと判断された場合には在留資格の更新や変更時に不許可になるケースもあります。

2. 資格外活動許可の一般原則

2-1. 許可の基本要件

資格外活動許可を得るには、以下の条件を満たす必要があります:

  • 現在の在留資格の活動(就職活動)を妨げないこと
  • 就職活動を実際に行っていること
  • 申請する活動が他の在留資格に該当すること(特定技能と技能実習を除く)
  • 日本の法律に違反する活動ではないこと
  • 入国管理局から収容令書や意見聴取通知を受けていないこと
  • 素行が良好であること
  • 所属機関の同意が必要

これらの条件は申請の最低条件なので、それを満たさないと資格外活動は許可されません。
↓は出入国在留管理庁の状況一般原則の原文です。

資格外活動許可の要件(一般原則)

以下の要件のいずれにも適合する場合に資格外活動を行う相当性が認められ、許可されます。(1) 申請人が申請に係る活動に従事することにより現に有する在留資格に係る活動の遂行が妨げられるものでないこと。(2) 現に有する在留資格に係る活動を行っていること。(3) 申請に係る活動が法別表第一の一の表又は二の表の在留資格の下欄に掲げる活動(「特定技能」及び「技能実習」を除く。)に該当すること。(注)下記2(1)の包括許可については当該要件は求められません。(4) 申請に係る活動が次のいずれの活動にも当たらないこと。ア 法令(刑事・民事を問わない)に違反すると認められる活動イ 風俗営業、店舗型性風俗特殊営業若しくは特定遊興飲食店営業が営まれている営業所において行う活動又は無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業若しくは無店舗型電話異性紹介事業に従事して行う活動(5) 収容令書の発付又は意見聴取通知書の送達若しくは通知を受けていないこと。(6) 素行が不良ではないこと。(7) 本邦の公私の機関との契約に基づく在留資格に該当する活動を行っている者については、当該機関が資格外活動を行うことについて同意していること。

出入国在留管理庁 - 資格外活動許可について

2-2. 禁止されている活動

以下の活動は、資格外活動として絶対に認められません:

  • 違法な活動
  • 風俗営業や性風俗関連特殊営業での仕事
  • 電話やインターネットを使った異性紹介業務

これらの活動に従事すると、2.1 一般原則にあった「法律に違反しない」「素行が良好」等の許可の要件を満たさなくなってしまいます。

そのため在留資格が取り消され、最悪の場合、出国命令や退去強制などになることもあります。

3. 資格外活動許可の種類と申請方法

3-1. 包括許可(週28時間以内の就労)

包括許可は、週28時間以内のアルバイトを行う場合に必要です

この許可があれば、様々な仕事を28時間以内で行うことができます。
申請に必要な書類は以下のとおりです。

  • 資格外活動許可申請書のみ

申請書は出入国在留管理庁のウェブサイトからダウンロードできます。

https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00045.html

3-2. 個別許可(包括許可の範囲外の活動)

就職活動の一環として行われる職業体験型インターンシップに参加できるのは、「特定活動」の在留資格を持つ以下の方々で主に2つのタイプに分かれます。

  • 就職活動中の人、就職内定者
  • 個人事業主としての活動

つまり、「特定活動」ビザで日本に滞在している方で、就職活動中、または就職が決まって入社を待っている方が対象となります。学歴は大学、短大、専門学校のいずれでも構いません。

例外として、個人事業主としての活動があり就労時間の把握が客観的に困難な場合には、包括許可ではなく個別許可での申請が必要になります

4. インターンシップと資格外活動許可

4-1. インターンシップ参加のための条件

インターンシップは大学等の卒業者(予定者)が就職活動の一環として職業体験を目的とする場合に認められます。注意:専修学校卒業者の場合は専攻と関連性が認められる業務に限定されます。

4-2. インターンシップの資格外活動許可申請手続き

インターンシップのための個別許可申請には、以下の書類が必要です:

  • 資格外活動許可申請書
  • インターンシップの内容を説明する文書(活動内容、期間、時間、場所、報酬など具体的に)
    雇用契約書が望ましいでしょう。
  • 専修学校卒業者の場合は成績証明書

書類の準備ができたら、最寄りの出入国在留管理局に申請しましょう。

5. 個人事業主など特殊なケースにおける資格外活動許可

5-1. 個人事業主として活動する場合

個人事業主として活動する場合、稼働時間を客観的に確認できる場合は包括許可での申請、稼働時間の確認が難しい場合は個別許可が必要です。

なお、資格外活動での個人事業主としての活動は一人で小規模なスモールビジネスを想定したものです。大規模な組織的な事業や法人設立にはそもそも特定活動の在留資格ではなく「経営・管理」の在留資格が必要となり、当然、資格外活動許可は不適切です。

5-1.1 申請に必要な書類

  • 資格外活動許可申請書
  • 事業計画書など(任意様式)

5-2. 業務委託契約や請負契約での就労

業務委託や請負契約の場合: 労働時間が明確な場合は包括許可で可能でしょう。
労働時間が不明確な場合は個別許可が必要です。

*Uberなど宅配サービスは客観的に稼働時間を把握できるので包括契約で大丈夫です。

5-2.1 申請に必要な書類

  • 資格外活動許可申請書
  • 契約書など(任意様式)

6. 資格外活動許可取得後の注意点

6-1. 活動内容の制限と遵守事項

資格外活動許可を得た後も、以下の点に注意しましょう。
とても大事な部分なので、長めに書いています。

  • 許可された活動内容や時間を守ること
  • 風俗営業など禁止されている職種に就かないこと
  • 主たる活動(就職活動)を怠らないこと

これらの規則を破ると、在留資格が取り消される可能性があります

理解が進むようここで一つ物語を例に挙げましょう。
この物語は資格外活動許可に関するもので多くの方に気をつけてもらいたいと思い書きました。

「夢の代償 - 留学生アンナの選択」

アンナは日本の大学で懸命に学び、卒業を間近に控えていた。憧れの日本企業への就職が決まり、インターンシップのために資格外活動の許可も取得。未来は明るく輝いているはずだった。

しかし、友人と約束した卒業海外旅行の費用が重くのしかかる。コンビニの28時間制限のあるアルバイトだけでは足りず、友人の誘いで風俗店での勤務を始めてしまう。「悪いことじゃない」と自分に言い聞かせながら、アンナは法の網をすり抜けていった。

一夜で稼げる金額に魅了され、アンナは次第にその世界に引き込まれていく。
だが、警察の摘発により、その選択が致命的な過ちだったことを思い知らされる。

内定取り消し。再就職の道も閉ざされ、アンナは絶望の淵に立たされる。そして在留期限が迫る。
入国管理局で突きつけられた現実 - 「法律遵守」「素行良好」という在留資格の基本要件を満たせないため、更新はできず、別の在留資格も取得することが出来ない。このまま残っても不法滞在、退去強制、5年、10年と入国拒否となる。

母国への帰国を余儀なくされたアンナ。彼女の物語は、一時の誘惑が将来の夢を奪う恐ろしさを物語っている

法律は時に冷酷に映るかもしれないません。しかし、それは私たちを守るためにあるのです。

留学生の皆さん、アンナのような悲劇を繰り返さないために、在留資格の規定を守ることは、自分の未来を守ること。
たとえ苦しくとも、合法的な道を歩み続けることが、最終的には幸せな未来につながるのです。社会に出れば稼ぐ金額に上限はありません、経営管理ビザを取得し自分の会社を作ることもできます。

どうか正しく制度を利用してください。

7. まとめ

特定活動ビザでの資格外活動許可は、就職活動中の皆さんの生活を支える重要な制度です。主なポイントを振り返りましょう

  • 週28時間以内のアルバイトは包括許可で可能
  • インターンシップや特殊な就労形態は個別許可が必要
  • 許可された活動内容と時間を守ることが重要
  • 違法なことには関わらない
  • アルバイトに夢中になり本業をおろそかにしない
  • 就職が決まったら速やかに在留資格を変更する

わからないことがあれば、弊所にお気軽にご相談ください。皆さんの就職活動が成功することを願っています!