国際結婚【配偶者ビザ】で離婚したらどうなる?

この記事を読むとわかること

  • 配偶者ビザと離婚の関係性
  • 離婚後の在留資格の選択肢と変更手続き
  • 法的手続きと注意点
  • 離婚後の生活再建のためのアドバイス
お知らせ

「配偶者ビザ」は、正しくは「日本人の配偶者等という在留資格の一種で、ビザではありません

この記事では外国人の皆様に ”より制度を理解してもらうことを目的” としているため、”あえて” 「配偶者ビザ」という言葉で執筆しています

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配偶者ビザと離婚:知っておくべき基本情報

配偶者ビザの特徴と条件

配偶者ビザ(正式名称:日本人の配偶者等)は、日本人または永住者の配偶者として日本に在留する外国人に与えられる在留資格です。
このビザの主な特徴と条件は以下の通りです:

  • 最長5年の在留期間(更新可能)
  • 就労制限がない
  • 実際に婚姻関係にあることが条件
  • 定期的な在留資格更新が必要

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離婚が配偶者ビザに与える影響

配偶者ビザで滞在中に離婚した場合、その在留資格の前提条件が失われることになります。

しかし、即座にビザが無効になるわけではありません。
主な影響と注意点は以下の通りです:

  • 離婚成立後14日以内に最寄りの地方出入国在留管理官署に届け出ることが必要
  • 原則として、離婚後6か月以内に在留資格の変更が必要
  • 在留資格変更手続きを行わない場合、不法滞在となるリスク

離婚後6ヶ月間は配偶者ビザで引き続き滞在を続けることが可能ですが、6か月以内に在留資格変更の手続きを完了させる必要があります。ただし、滞在を続ける為には離婚成立後14日以内に管轄の地方出入国在留管理官署に届け出ることが条件となっています。

注意点

届け出は日本に在留する外国人の義務です。届け出を怠った場合には義務違反となり、
在留資格変更や更新時に不利になる場合がある為、注意が必要です。

離婚後に考える 3つ の在留資格

日本には全部で29種類の在留資格があります。
ここでは配偶者ビザで在留していた人が離婚後に考える3つの選択肢を紹介します。

1. 定住者ビザへの変更:条件と申請方法

配偶者ビザの外国人が離婚した時に取るべき在留資格1定住者

定住者ビザとは法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者に与えられる在留資格です。

配偶者ビザを持って在留している人が離婚後に在留資格を変更するときの選択肢の一つとしてこの定住者ビザへの変更があります。離婚ケースでしばしば選択される方法で、通称「離婚ビザ」と呼ばれることもあります。

主な条件と申請方法は以下の通りです:

条件1:子供がいない場合

  • 日本での生活基盤が確立されていること
  • 実態のある婚姻生活期間が3年以上あること
注意点

日本人と戸籍上の結婚をして、直ぐに自分の国へ帰国して別居状態であれば、それは実態のある婚姻生活期間とはみなされません。出入国はしっかりと管理されているため、上記のケースでは定住者の取得は難しいケースになるでしょう。

条件2:子供がいる場合

日本国籍を持つ未成年の実子(こども)がいる場合、定住者の在留資格が認められやすい傾向にあります。

  • 子供の親権者であること
  • 実際に相当期間申請者が監護、養育してきた実績があること
  • 今後も申請者が子供を育てていく見込みがあること
  • 日本で将来にわたり安定して収入を得ること、またはその能力や資産があること
  • 素行が良好なこと

在留資格を得るには通常、資格該当性、基準適合性や相当性を基に審査されます。相当性に関してはハッキリとした基準ではなく、日本に在留をし続けるに相当な理由や条件、素行状況など総合的に審査され最終的な判断が下されます。

注意点

離婚後の定住者ビザは、配偶者ビザで在留していた外国人の救済的な在留資格です。したがって、一度、母国へ帰り、定住者のビザを取得して入国することはできません。日本にいる6ヶ月の間に在留資格の変更手続きが必要です。

申請方法:

  1. 必要書類の準備(在留資格変更許可申請書、理由書、離婚証明書など)
  2. 地方出入国在留管理局での申請
  3. 審査(約1〜3か月)
  4. 結果通知

2. 就労ビザへの切り替え

配偶者ビザの外国人が離婚した時に取るべき在留資格2技人国

就労ビザへの切り替えは、専門的な技能や資格を持つ人にとって有効な選択肢です。大学卒業、関連する職務での内定、日本語能力の問題など、元々、就労ビザで働いていた人でないとハードルは高いでしょう。

主な種類と準備すべきことは以下の通りです:

主な就労ビザの種類:

  • 技術・人文知識・国際業務
  • 特定技能

準備すべきこと:

  • 資格や学歴の証明書類
  • 雇用契約書または内定通知書
  • 会社の登記簿謄本や決算報告書

申請に関する具体的な手続きについては下記の記事をご覧ください。

在留資格

【技術・人文知識・国際業務】(ぎじんこく)ビザ取得のための条件と申請方法について解説

3. 日本人や永住者との再婚

配偶者ビザの外国人が離婚した時に取るべき在留資格3再婚

日本人や永住者との再婚をすることで、あらためて配偶者ビザを取得することもできます。
2024年3月までは日本では離婚後100日間の再婚禁止期間がありましたが、民法の改正により2024年4月以降は再婚禁止期間が廃止されました

しかしながら、離婚後6ヶ月の間に新たなパートナーと再婚をするということは偽装結婚なども疑われ困難になるでしょう。そのため、申請に必要な書類である夫婦間の交流確認資料や質問書での丁寧かつ詳細な背景の説明が求められることになる恐れがあります。

困難かつ大切な申請は、ビザを専門に扱う申請取次行政書士をに相談されることを強くお勧めします

申請に関する具体的な手続きについては下記の記事をご覧ください。

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離婚後の生活を安定させるためのアドバイス

就職活動と経済的自立への道筋

離婚後の精神的、経済的自立は、在留資格の変更や継続的な日本滞在にとって重要です。
以下のポイントを参考にしてください:

スキルや経験を分析

これまでの職歴や学歴を時系列でリストアップし、各経験から得たスキルを具体的に書き出すことが重要です。自己分析ワークシートを作成し、強みと弱みを明確にすることで、自身のキャリアの方向性が見えてくるでしょう。

日本の就職市場の理解

日本の雇用形態(正社員、契約社員、派遣社員など)や業界別の求人動向を調査しましょう。ハローワークや外国人向け就職支援センターに相談し、最新の就職市場情報を入手することで、より効果的な就職活動が可能になります。

履歴書やCVの日本語版作成

日本式の履歴書フォーマットを入手し、自身の経歴を適切に記入します。日本語ネイティブに添削を依頼し、文法や表現の誤りをチェックしてもらうことで、よりプロフェッショナルな印象を与える履歴書が完成するでしょう。

ネットワーキングと求人情報の収集

LinkedInなどのプロフェッショナルSNSで日本在住の同業者とつながりましょう。外国人向け就職フェアやセミナーに参加し、企業担当者と直接交流することで、貴重な情報や機会を得ることができます。

面接対策と日本の企業文化の学習

日本の面接でよく聞かれる質問とその模範解答を準備します。日本企業の社会人マナー(お辞儀、名刺交換など)を動画で学習し、実際に練習することで、面接での印象が大きく改善されるでしょう。

日本語能力向上:キャリアと在留資格のカギ

日本語能力の向上は、キャリアアップと在留資格の安定につながります。
以下の方法を検討してください。

日本語学校への通学

週3回、平日夜に地域の日本語学校に通うなど、定期的な学習の機会を設けましょう。居住地近くの日本語学校を調べ、レベルチェックテストを受けて適切なクラスに入学することで、効果的に日本語力を伸ばすことができます。

オンライン日本語学習プログラムの活用

スマートフォンアプリを使って、通勤時間中に日本語を学習するのも効果的です。Duolingo、LingoDeer、日本語能力試験公式アプリなどをダウンロードし、毎日30分の学習時間を確保することで、着実に日本語力が向上するでしょう。

日本語能力試験(JLPT)の受験

現在のレベルがN4の場合、半年後のN3受験を目指すなど、具体的な目標を立てましょう。公式問題集を購入し、週末に模擬テストを行って弱点を把握し、集中的に勉強することで、確実にレベルアップできます。

日本人との交流機会の増加

地域の国際交流イベントに参加し、日本人ボランティアと会話練習をすることで、生きた日本語を学べます。定期的な地域や日本人と交流の機会を作ることは在留資格を申請するときの理由書などにも書きやすくプラスに評価されるでしょう。

5. よくある質問と回答

離婚後、すぐに日本を出国しなければならないですか?

いいえ、在留期限内であれば直ちに出国する必要はありません。ただし、新たな在留資格への変更手続きを検討する必要があります。

定住者ビザへの変更は必ず認められますか?

自動的に認められるわけではありません。個々の状況や条件によって判断されます。日本での生活基盤や経済的自立の見込みなどが重要な判断基準となります。

実態調査は行われる?

必ずしも行われるわけではありませんが、前配偶者への聞き取りなどが実施される例もございます。

6. まとめ:配偶者ビザで離婚後の前向きな一歩

配偶者ビザで滞在中に離婚を経験することは、大きな不安と困難を伴う可能性があります。しかし、適切な情報と準備があれば、新たな在留資格を得て日本での生活を継続することは可能です。

この記事のポイント

  • 離婚後は速やかに(14日以内)入国管理局への届出を行う
  • 新たな在留資格への変更を検討し、必要な準備を進める(離婚後6ヶ月以内)
  • 経済的自立と日本語能力の向上に努める
  • 必要に応じて専門家(行政書士など)に相談する

困難な状況でも、前向きに取り組むことで新たな可能性が開かれます。この記事の情報を参考に、自分に最適な選択肢を見つけ、日本での新生活に向けて一歩を踏み出してください。

代表行政書士
中尾幸樹

当事務所は神奈川県逗子市を拠点とする、国際業務・特定技能に強い行政書士事務所です。米海軍基地職員を兼務していることから、日米国際結婚に関する独自の情報提供も可能です。

「お客様の人生に寄り添う」を理念に掲げ、長期的な信頼関係を築くため、個人のお客様には最大30%のリピート割引を実施しております。

例えば、在留資格認定証明書(COE)の取得代行:11万円~ 。勿論、初回相談料は無料。

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重要な注意事項
本記事は入管法に関する一般的な情報提供を目的としており、執筆時点での法令・運用に基づいています。
入国管理局の審査基準や運用は随時変更される可能性があり、また個々の事案により判断が異なる場合があります。

【免責事項】 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、記事の内容に基づく申請や判断により生じたいかなる結果についても、著者および運営者は一切の責任を負いません。具体的な申請手続きについては、必ず最新の情報をご確認の上、行政書士等の専門家による個別相談をご利用ください。